その1
私が芝居を作る上で大切にしてることがあります。
それは、「なんでやねん」です。
「なんでやねん」を、舞台上で言うのではありません。
「なんでやねん」を、お客さんに言わせる。
しかも、お客さんの心の中で言わせるのです。
・・・しかし、お客さんに心の中で「なんでやねん」を言わせても、当たり前ですが、それは舞台上には反映されません。
舞台上では微妙な空気が流れ、そのまま放置されるのです。
ひゅー・・・
いや、そこが面白いじゃないっすか!(笑)
その2
「ハイテクニックを持ってしてハイクオリティのものを作るのって、わりとあたり前でそんなに難しいことではないんじゃない?」
って思ったりするのです。
まぁ、私も技術者系の人間ですので、『そんな簡単に言うな!』っていう気持ちもわかります。
が!
ハイテクニックを持ってして、いかにロークオリティなものを作るか?
っていうことの方が、逆に難しくて、そして深い(不快?)意味があるのです。
かといって、ほんとにロークオリティのものを作ったら、それこそ意味がないわけです。
ちゃんとしたテクニックを持ってるんだけど、あえてそんな風を見せず。
でも、見る人が見ればわかる、キラリと光るハイテクニックが垣間見えたりする、このスリリングさ!(笑)
そんなところが面白いと思うのですよ。
テクニックの粋(すい)を結集して、『なんでわざわざこんなもん作るねん!』って感じのモノを作り上げるのです。
これぞまさに、通!(ミスター味っ子)って感じなのです。
その3
私のつくるお芝居は、ものすごくアナログ的な表現だと自覚していますが・・・
今回、とりあえず制作面というか、宣伝美術面に関しては、完全にデジタル化を目指しています。
従来、手描きで作っていた部分も含めて、全てデジタル化してみようと思ってます。
って書くと、『手描きの雰囲気がよかったのに!』って文句を言われそうですが(^^;
いや、そうではないです。
手描きの時と寸分違わぬクオリティが出せてこそのデジタル化なわけで。
デジタルっぽいものを作ってしまったら、それはとても素人っぽい技術レベルということです。
『あ、相変わらずヘッタクソな手描きの絵を使ってるな。』
なーんて思われれば大成功というわけです。
なんでもそうですが、『技術がある』とか、『頭がいい』とか、『むむ、デキル!』と思われてはダメなんです。
見る人が見ればわかる。
というクオリティに保っておくことで、コアな関係が作り出せるというものです。
・・・とかいいつつも、完全にアナログ的な部分も残しておくのが、私の矛盾点であり、いいところでもあります(笑)