舞台用語辞典「か」行
- 開帳場(かいちょうば)類:八百屋(やおや)
- 水平方向に対し斜に傾斜した舞台のこと。弁慶が勧進帳を開く場面で使われたのでこの名前がついた。
海賊船Uで以前あまりに急な角度の開帳場を作ったため、本番中この上で見得を切っている役者が、かえし(稽古)いい場面にもかかわらず、ずるずると滑り落ちてきた事がある。
やおやは舞台奥が高くなった開帳場、これは八百屋の野菜の並んでいる板の傾斜の感じが似ている事から。
- かえし(稽古)
- 繰り返して同じ場面の練習をする事。
「じゃ、今日の稽古はこの場面のかえしをやるから」と発表があると出番の役者はがっかりし、出番のない役者はとっとと帰れるまるで役者にとって宝くじ的稽古。
- かえし(スピーカー)
- 舞台上に音を聞かせるため、舞台方向に向いているスピーカー。はね返りとも言う。
サイドフィル(横あて)、フット(スピーカー)、FB(フォールドバック)など。
コロガシ同様、芝居には邪魔だが、セットが豪華に見えると言う利点がある。
- 上手(かみて)⇒下手
- 客席から舞台を見て右側。けっしてうまい役者や偉い人の集まる場所ではない。
なぜこちらが上手なのかは不勉強なため不明。
「上手(かみて)のセットを上手(じょうず)に作った」など文章にすると紛らわしい。
- カガミ
- 客席からの見切れを隠すために立てられる大道具のこと。
浴室のセットでドアを開けると洗面台という設定の時など「その鏡のついたパネルをカガミにして見切れに立てとけ」とよく分からない会話がなされる。
- ガチ
- カスガイの事。中部(関西も?)では断面が円形のガチが一般的だが、関東では断面が平たくつぶれた物を使う。
きしめんの本場でうどんのようなガチを使い、関東できしめんのようなガチを使う、ナゼ?。
その昔先輩に「ガチっと止めるからガチだ」と言われたがこれはマユツバ…(ホントかも?)
- ガチ袋
- ガチを入れる為の袋。大工さんの釘袋、腰につけて使う。
ガチのみならず釘、ドライバー、カッター、ナグリ、ビニールテープ、ゲームボーイ、携帯電話等なんでも入っている。
あの大きさにあれだけの種類の物が入るのはとても不思議。
大道具以外のスタッフから見たらドラえもんのポケットのようなもの。
- 記憶卓(きおくたく)
- コンピューターでシーンを記憶しておく照明卓のこと。
最近は記憶卓の方が普通で、あえてこう呼ぶ事は少ないが、照明さんの手伝いで卓につくときなど、うっかりと記憶を飛ばしてしまうと、烈火のごとく怒った照明さんに、ボコボコにされた挙句、堀川に放り込まれる。
その後真っ赤だった照明さんは、真っ青になって記憶を打ち直すことになる。
- 蹴上げ(けあげ)
- 階段などの段差の高さの事。7寸蹴上げ、1尺蹴上げなどと使う。
舞台では7寸が高さの基準になっていて、7寸、1尺4寸、2尺1寸と7寸ずつ高さ調整するのが普通。
二重や階段のけこみを作って行く時に注意しないと、現場で作り直すはめになる。
最近はテレビ局の影響で5寸が基準になっているホールもある。
- けこみ
- 二重舞台など段差がある部分の垂直方向に立ちあがっている面。
さらに厳密な使い分けとしては、客席と45度以内の正対している面(⇔ツマ)。
海賊船Uの芝居ではよく蹴破られ、楽日には初日の面影がなくなっている。
- キュー
- キッカケの合図。CUEと書くのが正しいが、あまりにもQと書く人が多いためQでもいい事になった(誰が決めるんだろう)。
みんなでやれば怖くないの代表みたいなものだが、台本にQ、Qとたくさん書いてあるとなんだかほのぼのしてくるのも事実。
- ゲネプロ(同:舞台稽古、リハーサル)
- 舞台稽古のこと、リハーサルも同義。衣装、メイク、照明、音響など全て本番同様に進行する最終的な稽古。
舞台稽古、リハーサルというとただの練習みたいだがゲネプロと言うとただの練習とは格が違う気がする。
しかし「午前中リハ昼からゲネ」などと言うと「?」と言うことになるので気をつけたい。
- 香盤表(こうばんひょう)
- 場面ごとにどの役者が登場するのかまとめた表。
舞台袖から見ると、焼香の順番を待っているように見えることからこの名前がついたらしい。
とするとお客さんは仏さんか!?
- コロガシ
- 舞台上、床面に直接置いてある照明機材(時には音響用スピーカーなども含む)。
コロガシがごろごろ並んでいると、芝居にはとても邪魔になるが、セットが豪華に見えると言う利点もある。
- コンモ(ケーブル)
- 照明機材を二股でつなぐ、又はそのためのケーブルのこと。
昔コンモケーブルのことをコンボケーブルと言って、大恥をかいたことがある。
当時、映画「コンボイ」が流行っていた。
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