舞台用語辞典「さ」行
- 下手(しもて)⇒上手
- 客席側から舞台を見て左側。
けっしてヘたな役者や立場の低い人が集まる場所ではない。
不勉強なためなぜこちら側が下手と言うのかは不明。(昔聞いたような気もするのだけど…)
「下手(へた)な役者が下手(しもて)にいる」など文章にすると紛らわしい事もしばしば。
- 上敷(じょうしき)
- 畳の表面のようなもの。
3尺(90センチ)幅のものが多く、筒状に巻いてあり伸ばして使う。セットで畳代わりに使ったり舞台袖で着替えたりする時に使う。
“ムシロ”と言うと素人扱いされるので、気をつけたい。
- 所作台(しょさだい)
- 歌舞伎、日舞などの舞台面に使われる台。
総檜作りで、高いものは何百万円もする、一見平台に似ているため平台のように扱うと、大道具さんに半殺しにされ木曽川に放り込まれる。
衣装の履物、足袋以外ではこの上に乗ってはいけない。
- ジョーゼット(幕)
- 布の名前らしい。舞台では白色の透けて見えるくらい薄い幕を何でもかんでも(例外紗幕)ジョーゼットと言う。
照明のあて方によって、雰囲気が大きく変わるため、安あがりに済ませる時重宝する。
又「ジョーゼットを、じょーぜっと(上手)に吊っといて」などギャグにも使われる。
- 新劇(しんげき)
- ロシアの演劇人、スタニスラフスキーの著書「俳優修行」の影響を受け、大正13年、土方与志の始めた築地小劇場(築地劇団)より日本にも広まる。
歌舞伎、大衆演劇などからの脱却を図り、現在のリアリズム演劇の基礎を作るも労働運動などと融合しおかしな方向へ。
夢の遊眠社、第三舞台、キャラメルボックスなどアングラ発展系小劇場演劇の隆盛により消滅。
- スタニスラフスキー(システム)
- 現代演劇の基礎を作ったロシアの人。
アメリカにはフランチャイズのメソードシステムなどがある。
現在「スタニスラフスキーシステム、スタニスラフスキーシステム、スタニスラフスキーシステム」と3回言うサ行の早口言葉として使われている。
- SS(ステージスポット)
- 舞台袖より横から舞台を照らす照明。
日本人顔が彫りが深く見えたり、狭いステージに奥行きが出たりする。
役者同士の立ち位置によっては、お互いに影が出たりするので、横目でちらちら見ながら立ち位置の調整をする。
じっくり見ると、その劇団の役者同士の力関係が良く分かる。
- ストリップ(ライト)
- 丸茂電気製製品名だが、細長く、中に数個の電球が横に並んでいる小ぶりな方の機材は他社製でもみんなこう呼ばれる。
ストリップとは細長いだの棒状の意味があるらしい。フットライトやホリゾントライトなどに良く使われるが、ストリップショーでも確かに舞台ツラによく並べてある気がする。
- 千秋楽(せんしゅうらく)(同:千穐楽(せんしゅうらく))
- その公演の最後の回、または最終日。
本来、千秋楽なのだが秋の字の火を嫌って、穐と書くこともある、というか、千穐楽と書いたほうが玄人っぽくてカッコいいような気がする。
今度からこっちの穐の字にして見ません?
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